入れられたのはウイルス対策用の陰圧室だった。
部屋の気圧を下げて,ウイルスが外にもれないようにしている。
隣にもうひとつ同じ部屋があり患者がいるとのこと。
LINEでは酸素飽和度95%で喜んでいるが,後で来た看護師に聞いたら別室からモニターしていて,途中から酸素量を2倍に増やしたとのこと。
ICUというくらいだから24時間監視は当然だな。
ぬか喜びだった。
大量の酸素を入れないと体が持たないということだろう。
午前8時頃,レントゲン撮影。
アームロボットのような移動式のレントゲンをお兄さんがひとりで押してくる。
でかい!
背中に板を敷いて,1枚撮影。
午前中ポータブルトイレに座っているときに,といっても実際にコトをいたしている恥ずかしい場面にではなく,ベッドから脇のトイレに移動するだけで息が切れたので,そのまま座面に座って息を整えていたところへ若い医師が登場した。
第1回目のPCR検査の結果を伝えに来てくれたのだった。
結果は「陰性」!!
喜んでいいところなのか。
あの肺の白さから見て,コロナを疑うのは当然だろうし,あれだけ念入りにぐりぐりされた綿棒の様子?からして,まさかウイルスが見つからないとは。
偽陰性という可能性も,当然あるな。
医者としてもそれでは困るはず。
LINEにも書いたが,様々な部位の複数回の結果を照らし合わせて判断するしかないのだろう。
ここでは,鼻粘膜,痰,血液と2日間にわたって,計6回のPCR検査をやるらしい。
午前中に採血と,2回めの鼻粘膜採集をやったが,昨日ほど奥まで入ってこない感じだ。ただ,鼻水はちょっとたまっていた感じで,ウイルスがいれば捕まえられるかもしれない。
トイレはいろいろ悩む。
見て驚いたのは,透明なビニール袋が入っていたこと。そこにトイレットペーパーを敷いて,その上にする。
そのまま焼却かと聞いたら,袋から出して水に流すそうだ。
なんてこったい!
洗わないと気分が悪いと言ってみたら,ペットボトル風の手動ウォッシュレットを持ってきてくれた。
ウエットティッシュも3つとビニール袋も持ってきてくれたので,最後はこれで拭いて仕上げよう。
これはトイレに捨てられない。
まあ,なんだかんだあったが一応うまくいったと思う。
それにしても透明なビニール袋とは…。
LINEのやり取りでおしっこの量が出てくるが,多いのか少ないのか聞かれたので調べてみた。
「MSDマニュアル」によると「1日当たりの排尿回数は大半の人で約4~6回(主に日中)です。健康な成人の1日当たりの排尿量は700ミリリットルから3リットル程度です。」とある。
幅がありすぎてよくわからないが,両方の平均値からすると1回あたり370mLとなる。
私は普通かもしれない。
あと「唾液を採取」と書いているが,痰である。これがなかなか出ない。
咳が出るわけでもないし,痰が溜まるわけでもない。唾液じゃダメなのかしら。
というか,唾液でも認めようという話はこの時点でもあったと思う。
「肺をよくする薬」とは看護師が言った言葉だが,たぶんステロイドのこと。
大量に投与するらしい。
寝る前に,小さな羽虫が室内を飛んでいることに気がついた。
ウイルスが外にもれないように常に陰圧にされている部屋だが,あの透明ビニールの難重もの障壁を乗り越えて入ってきたわけだ。
最後は吸い込まれた可能性もあるが,人が運んできたのだろう。
ちなみに,陰圧室内はファンの音だろうか,かなりうるさい。