4時過ぎ目が覚める。
トイレへ。
あとはうつらうつら。
横になっているときの酸素飽和度は95,脈拍67。
トイレから戻ったら84だった。
6時50分,血糖値87.
最近はずっとこんな値。
入院翌朝が178で,4日目以降は100を下回っている。
肺以外のカラダは健康になりつつあるようだ…。
「きょうブルーインパルスが飛ぶそうですよ」と言ったらそれはなんですかって聞かれたので説明した。
見てる暇ないよねと言ったら本当ですねって笑ってた。
感謝よりお金でしょと誘導尋問したら,そのとおりですって。
素直な女子である。
7時,昨晩の男子看護師。
血圧と体温。128ー70で36.6℃。
同じ話をしたらその名前は聞いていますが,なんのことかわかりませんでしたって。
ブルーインパルスも今や遠い昔なのか。
大学時代に入間基地で見たアクロバット飛行は迫力があったなあ。
で,勤務中だったら無理ですねが答え。
自分は夜勤明けになるので,見られるかなと。
このあと,何人かに聞いてみたが,なんとなくレベルで知っていたのは一人だった。
「勤務中ですから」が皆さんの答え。
まあ,現実はそんなもの。
7時45分朝食。
パン食になった。
8時半。リハビリ。
同じようなことをやっているが,かなりきつい。
飽和度が下がる。
午前中は調子が出ないのはいつものことだが,今日はひどい。
こういうカラダだと思うしかないな。
主治医が来る。
採血,レントゲン,肺機能検査とあるらしい。
9時過ぎ,採血。
担当は,きのう練習現場を見学させてもらった1年生の一人だった。
スムーズに終了。
コーチも同行していたので,点滴の針についてしばらく話す。
前回入院していたときに,私はずうっと金属製の針がそのまま腕に入っているものばかりと思いこんでいた。
だから,そこに変な力が加わると,血管が破れたりして大変なことになるのではないかとビクビクしながら過ごしていたわけである。
しかし,いざ針を抜くというところでピンクのフニャフニャしたものがするりとできてえらく驚き,真相を知ったのだった。
私みたいな患者も結構いるのではないか。
初めて点滴する患者さんにはぜひそのへんのことを伝えてあげてということである。
10時過ぎ。
またリハビリ。
ペダル15分など。
少し元気が出てきたな。
今日飛ぶ予定のブルーインパルスのことは,ここでは殆ど知られていないというか関心を持たれていない感じである。
国が感謝するならお金でしょ,というとたいていそうだそうだと乗ってくる。
妻と支払いについてやり取り。
高額医療費の限度額適用認定証についてどちらもきちんと理解していないので,話が頓珍漢になる。
よくわかっていないので言葉尻に反応してしまう。
結局最後は電話で。
私自身は,なんとなくは知っていたが,申請をしなくても損するわけではなさそうなので,手続きの手間だけで面倒,クレジットカードで全額支払うほうがポイントが増えてよりお得という認識だった。
しかし,どうも話が進んでいる上に今日はまさに月末ではないかということで話がややこしくなった。
LINEのドタバタはお恥ずかしい限りだが,まあこんな感じ。
この病院はWifiサービスはないので,スマホのテザリングでパソコンを使っている。
スマホはSIMフリーの格安である。
支払いは従量制で,音声通話もつけていない。LINEの電話機能かIP電話を使う。
外ではもっぱらポケモンGOぐらいにしか使わないので,月々の経費は多いときでも700円台である。
しかし,今見たら,入院以来の使用量が6.88GBになっていた…。
総額いくらになるのか,お楽しみである…。
12時昼食。
12時半,くつろいでいるところへ呼び出し。
呼吸器機能の検査だった。
しかしまあ,これが悲惨。
そもそも有効なデータが取れなかったのだ。
クリップで鼻をつままれて,パイプを咥えて息を吸ったり吐いたりする。
合図とともに,目一杯空気を吐き出し,思い切り吸う。
その瞬間に必ず咳が出る。
ゲホゲホっとなるので,次に思い切り吐くという動作ができないのである。
もともとそういう傾向があったが,入院してからさらに増加した印象である。
朝晩きちんとやっているつもりの喘息の吸入も,実は毎回ゲホっとなっているわけで,薬はほとんど肺に到達していないのではと思っている。
担当の女性が困ったらしくもうひとり呼んできたのだが,人が増えても咳がおさまるわけではない。
結局,3番めのガスを吸い込む検査の1回目だけはかろうじて咳が出なかった。
2回目はダメだったので,まあ1回めが使えるかどうかという感じのようだ。
なんだかんだで,20回以上はパイプを咥えただろうか。
おふたりともほとんど諦め顔で,このまま先生に報告しますって。
意気消沈して戻ったところで,またリハビリ。
レントゲン撮影。今日は正面と横。入院以来トータル14枚目になる。
妻から,ブルーインパルスの写真が届く。
真っ青な空を背景に,6機が長いスモークを吐きながらきれいな編隊を組んで飛ぶ姿が見事に捉えられていた。
我が家のほとんど真上を飛んだように見える。
やるじゃないか,奥さん!
ということは,この病院からもよく見えたはずだな。
その瞬間,私はまさに呼吸器の検査で悪戦苦闘していたのだった。
返す返すも残念である。
15時過ぎ,自主トレ。
隅っこでポケモンGOをしていたら,仲よくなった理学療法士が覗きに来た。
彼も一時は夢中になったゲームだそうだ。
17時過ぎ,自主トレ。
4,221歩歩いた。
実は多少ふらつくとか若干の浮遊感とか,もともとそういう傾向はあるのだが,ちょっと増加した感じだな。
まあ,病み上がりだし…。
廊下で看護師に呼び止められて,その場で血糖値採取。
先に針のようなものがついているらしい水色の小さな器具を看護師が指先に当てて,ボタンをパチンと押すと皮膚にちょっと傷がついて水滴のような血がにじみ出てくるので,それを絞り出してろ紙?をつけた測定器で吸いあげる。
数秒後に数値が出る。
これも偉大な発明なんだろうな。
医療現場は先人の知恵と努力の集積である,って,改めて感じるよ。
まあ現代社会そのものがそうだけどね。
浮世にはトンデモも多いが,ここでは地に足ついた前向きの知恵ばかりだ。
医療技術・知識の発達・発展には感謝しかない。
測定中,毎回当直のときですねと看護師に言われる。
一瞬なんのことかわからなかったが,どうやら連続3回夜勤で私の担当になっているらしい。
正直言うと,全員がマスク姿の上に頻繁に担当は変わるし,担当らしき看護師以外もいろいろやってくるしで,おじいさんとしては誰が誰やらほとんど区別がついていないのである。
体型や顔の輪郭,目や声の印象,受け答えの感じから,前に会ったことは思い出した。
ハキハキした元気な女性であった。
ちなみに,美女ばかりである。
これを,私は「スキー場効果」と呼んでいる。
マスクのおかげだね,なんてことは口に出さない。
まあ,真面目な話可愛らしい感じの女性が多いのは事実。
こちらはしゃべるのが楽しくて仕方がないおじいさんである。
こんなに俺っておしゃべりだったっけ?という感じ。
18時夕食。薬3種。
シャワーを浴びる。
風呂よりこちらのほうが気楽でいいかもしれない。
30分とか限られると,いろいろ焦る。
珍しく,21時過ぎた頃から睡魔が襲ってくる。
この時間帯は,報道関係のテレビ番組を3連続で見ながらtwitterで茶々を入れる時間帯なのだが,そんな気も起きない。
病院の屋上に医者やら看護師らが大勢集まって上空を飛ぶブルーインパルスに歓声を上げる光景を見て,「動員されたに違いない」みたいな嫌味を入れただけだった。
いや,実際,ここにいると全員それどころではない感じ。
まあ,でも,実際に飛ぶところを見れば,感動し勇気づけられるひともたくさんいるだろうことは,女房の口ぶりからもわかる。
21時過ぎ
体温,血圧,血糖値。
人工呼吸器について看護師と話す。
父親が亡くなる直前に医師が引き出したチューブの長さが30年以上たっても忘れられないので,ちょっと聞いてみた。
挿管のときの麻酔は知っていたが,あとは意識がある状態なのか。
全身麻酔ではなさそうだ。
長期間つけっぱなしだったりするらしいので,そういうことだろう。
入れたままは肉体的にも精神的にも過酷な状況だな。
栄養は鼻チューブ使ったりするのか。
後でネットで調べたけれど,いろいろ大変そうだな。
主治医に会うたびに,もう少しで人工呼吸器だったと言われる。
自分はギリギリ運が良かったということだな。
次回は,きっとお世話になるのだろう。
ネットでは,使用中のコミュニケーションの難しさについての論文が見つかった。
全く声が出ないというわけではなさそうだが,声帯はチューブが通っているのでちゃんとはしゃべれないだろう。
その場合の,医療従事者と患者のコミュニケーションの難しさについてである。
筆談とか,文字のボードを指すとかいろいろありそうではあるが,私の場合はぜひお腹にノートパソコンを乗っけてほしい。
複数のケーブル,点滴,チューブ,その他いろいろに繋がれて大変だろうが,指先が動かせて画面が確認できる状態なら,ブラインドタッチでなんとかなる。
今使っているノートパソコンならさらにありがたい。
まあ,気管にチューブ突っ込まれた状態で,どこまで正常な神経を保てるのかはちょっと想像がつかないが…。
LINEの会話データで「これはあかんかなあ😅」とあるのは,Amazonで買ったパルスオキシメータ(酸素飽和度計)と病院のそれとを比べて,誤差が6も出ていることを嘆いたもの。
指を変えても同じように出たので,ちょっと使えないかもしれない。
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